仕事や勉強で徹夜をしている時、ふと仮眠を取りたいと思う事ってありますよね。
でも、仮眠でせっかく覚えた事を忘れたりしないか不安にもなります。
そこで、今回は仮眠と記憶の関係性や適切な仮眠の取り方を紹介します。
仮眠を取ってしまうと、記憶が消えるのかも・・と不安になっている方はこれを読んで不安を解消して効率のよい仕事や勉強に役立ててください。
目次
徹夜時の仮眠は記憶が消えるのか
最初に、徹夜で頑張っている最中に仮眠を取りたい方の不安を取り除いていきましょう。
結論から言います。
完徹(一睡もしないで徹夜)するよりも、仮眠を取った方が記憶はしっかりと残ります。
むしろ、仮眠もとらずに頑張り過ぎた方が試験や仕事でミスをするリスクが上がるので、眠気や疲れで効率が下がってきていると感じた時は、無理をせずに一度仮眠を取りましょう。
徹夜をして仮眠を取らないとどうなるか
人間は活動時間が17~20時間を超えたあたりから、脳の覚醒レベルが下がる事が判っています。
「脳はすぐにサボりたがる」と聞いたことが無いでしょうか?
私たちの脳は、睡眠を取らずに酷使すると「疲れた!」「休ませろ!」とアピールしてきます。
脳の覚醒レベルが下がると、集中力の低下や気分が落ち込みやすくなる、さらに身体能力や反応速度の低下を引き起こします。
脳の覚醒レベルが下がった状態と、ほろ酔いの状態は似ているとも言われています。
徹夜をすると、フラフラしたり頭がボーっとするのも、ほろ酔いと同じ状態と言われれば、納得のいく話と言えます。
徹夜時の仮眠は記憶の整理
脳の覚醒レベルが下がると、パフォーマンスが下がります。
逆に、短時間の仮眠はパフォーマンスの向上だけでなく、「記憶を整理してしっかりと覚える」という役割も果たします。
徹夜して様々な情報を脳にインプットすると、脳内では様々な情報が乱雑に散らかっている状態になります。
乱雑にアイコンが並んでいるような状態です。
参照:http://jin115.com/archives/52211348.html
仮眠を取らずにいるという事は、脳内はこんな感じに乱雑なままという事になります。
逆に、膨大な情報を入れた状態で仮眠を取ると、睡眠中に情報を整理してまとめて、記憶に留めようとする働きが起こります。
海馬の短期記憶の情報(新しい知識)を、大脳皮質にある脳内のフォルダに種類分けしてまとめるイメージです。
仮眠を取って情報を整理すれば、単純に眠気がとれてスッキリするだけでなく、徹夜してまで覚えた新しい情報を取り出しやすい状態で記憶する事にもなるのです。
参照:https://enjoy.sso.biglobe.ne.jp/archives/desktop_file/
もう一つ、仮眠には嬉しい効果があります。
画像はあくまでイメージですが、仮眠前はアイコンを追加する場所が無いほどデスクトップは乱雑でしたが、仮眠後はアイコンが消えてスッキリしていますよね?
これを情報に置き換えると、仮眠を取る事で情報が整理され「新たに情報を覚えるスペース」も確保できる状態と言えます。
つまり、仮眠をとると飽和状態だった「情報の仮置き場」が掃除されて、新たな情報を受け入れやすくなるので勉強や仕事の効率が向上するのです。
仮眠を取り過ぎると記憶が消えるのか
仮眠は徹夜での仕事や勉強の効率を向上させるために、非常に有効な手段ですが、もし寝すぎた場合はどうなるのでしょうか?
もしかして、熟睡したら記憶が消えちゃうのかも・・と不安ですよね。
参照:https://www.appps.jp/107610/
結論から言えば、熟睡しても記憶は消えないのでご安心を。
記憶の整理は、「仮眠」だから起きるのではなく「睡眠」によって起きる現象です。
熟睡したからといって、記憶の整理が起こらない訳では無いので、それまで頑張った勉強や仕事の情報はしっかりと整理されていますよ。
仮眠を取ると具合が悪くなる人
基本的に、仮眠をとれば脳が一時的に休まるのでリフレッシュに繋がります。
しかし、まれに仮眠を取ると意識がもうろうとしたり、頭がボーっとするなど、具合が悪くなる人もいます。
これは、睡眠惰性という状態で簡単に言うと脳が混乱して起きる状態を指しています。
脳「お。やっと休めるのか」
15分後
脳「え?起きるの?まだ休みたいのに!」
この睡眠惰性は入眠直後の眠りが深い人に起こります。
大抵の人は、後述する適切な仮眠時間を守れば深く眠る前に起きるので、睡眠惰性は起こらずスッキリします。
しかし、中には短い仮眠時間でも深く寝入ってしまい睡眠惰性を起こしてしまう人も居るのです。
この入眠直後における眠りの深さは、どうして個人差があるのか明確に判っていません。
残念ながら、仮眠が向いていない体質の人も居るのです。
睡眠惰性が起きる人におすすめの対処法
体質的に入眠直後から深い眠りに入ってしまう人は、仮眠を取らない方が良いかもしれません。
しかし、徹夜して脳がオーバーヒートしている状態で、勉強や仕事を続けてもパフォーマンスは下がる一方です。
アメリカ科学振興協会の発表によれば、「仮眠と同程度の時間、安静にして体と脳を休めるだけでも記憶力向上の効果が期待できる」としています。
眠ると逆にダルくなってしまう、という方は勉強や仕事の手を休めて、何も考えずにボーっとする時間を15~30分作るだけでも、仮眠と同じ効果が期待できますよ。
仮眠の適切な時間と寝すぎ防止の方法
仮眠で記憶を失う事はなく、むしろ記憶を留める効果があると知れば、さっそく仮眠を取りたいですよね。
そこで、仮眠を効果的にとるための方法を紹介していきます。
仮眠の時間は15分~30分
一般に、入眠してから30分を超えると「深い睡眠状態」になります。
前述した通り、熟睡してから起きても睡眠惰性が起きて逆効果になってしまうため、仮眠を取る場合は15分程度を目安に、長くても30分以内にしましょう。
仮眠直前にコーヒーを1杯
寝すぎを防止する役割と、仮眠後に覚醒しやすくするには仮眠を取る前にコーヒーを1杯飲むと効果的です。
コーヒーに含まれるカフェインには、覚醒作用がある事は有名ですが、飲んですぐに効果を発揮しない事をご存知でしょうか?
カフェインは、摂取から脳へ到達して覚醒作用を及ぼすまでに約30分かかります。
つまり、仮眠前にコーヒーを飲むとカフェインの覚醒効果が「目覚まし時計」の役割を果たしてくれるという訳です。
眠りにくい体勢で
ちょっと仮眠・・とベッドに潜り込んで気が付いたら朝だった!という経験はありませんか?
仮眠を取る時、睡眠時と同じように身体を横たえるのはNGです。
疲れているのは脳だけではありません。
横になると、脳や身体は「寝るモード」と認識して熟睡しようとするので仮眠を取る時はやめましょう。
椅子に座り上半身は起こした状態が仮眠にはベストな体勢です。
参照:https://matome.naver.jp/odai/2146797967937323301
起きた時に、首が痛くならないようにネックピローなどを使うのも良いでしょう。
椅子で寝る、と聞いて下図のような体制で寝る人が居ますが
参照:https://reistenza.com/exam-study/no-sleep.html
この体勢も仮眠ではNGな寝方です。
横になった時と同様に、熟睡しやすい上に体が休まらない最悪の寝方です。
この姿勢で朝まで寝るくらいなら、素直にベッドで寝た方がよほどマシなので注意しましょう。
目覚ましをかける時の注意点
仮眠を取る時、ほとんどの人がスマホや目覚まし時計でアラームをセットするはずです。
仮眠の目安は15分~30分なので、15分後から5分刻みにアラームをセットしたりしていませんか?
目覚ましを小刻みにかけるのは仮眠ではおすすめしません。
脳をしっかりと休めてパフォーマンスを向上させたい時は、仮眠予定時間のギリギリに合わせて1回だけセットしましょう。
アラームを小刻みにかけると「まだ寝れる」と二度寝・三度寝を繰り返し、脳がしっかりと休まりません。
また、睡眠と覚醒を繰り返すうちに眠りが深くなり、熟睡してしまう原因にもなってしまいます。
仮眠を取る前に、時間を決めておき寝れる・寝れないに関わらず、予定時間まで安静に過ごして脳をリフレッシュさせましょう。
徹夜の仮眠の取り方:まとめ
徹夜をしていると、中途半端に寝る位ならこのまま起きていよう!と思う人が多いかもしれませんが、科学的にも短時間の仮眠を取る方が高いパフォーマンスを発揮できることが証明されています。
仮眠を取る時は
- 仮眠時間を事前に決める
- 仮眠前にコーヒー1杯
- 椅子に座り上半身は起こしたままで
- 仮眠時間は15分~30分以内
これらを意識すると、徹夜で疲れ切った脳をリフレッシュする事が出来ます。
記事内でも触れている、仮眠で睡眠惰性が起きてしまう人でも、15分から30分の間、手を止めて安静にする時間を作ればパフォーマンスの向上に繋がりますよ。
せっかく徹夜をして詰め込んだ情報は、仮眠や小休止でしっかりと記憶に残して活かすようにしましょう!
当記事が、徹夜で頑張る皆様に少しでも役立てば幸いです♪
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