そうめんなど、茹で戻して食べる乾麺類は日持ちがする事からついつい長期保存したまま忘れがちです。
長期間放置していたそうめんを食べようとしたらカビが生えてる!って時は、食べて良いのか・万が一食べてしまったらどうなるのか、気になりますよね。
今回は、カビが生えたそうめんを食べても良いのかという疑問と、味や食べた時に起こりうる身体への影響などを詳しく紹介します。
目次
そうめんにカビが生えた!:カビの種類について
そうめんに生えてしまう可能性のあるカビは、大きく分けて2種類に分類する事が出来ます。
味や見た目にあまり大きな変化が伴わない「白カビ」と、見ただけでカビが生えた!と判る「青カビ」の2種類です。(保存状況などによっては別種のカビが生えることもあります。)
青カビについて
参照:https://plaza.rakuten.co.jp/karakkaz/diary/201607300000/
そうめんにカビが生えた!と言う場合、大抵が上記画像のような状態の事ですよね。
画像のように、そうめんが変色して明らかにカビが生えている状態は「青カビ」のしわざです。
食べてよいのか、食べても本当に大丈夫なのか・・と悩む見た目ですが、結論から言えば食べても基本的には身体への影響は無いといえます。
基本的にはと記載した理由は2つ
- 青カビが生えた部分は除去して食べるのが一般的だから
- カビ毒の有無は見た目で判別が難しいから(※可能性は極めて低い)
青カビが生えた部分の除去
通常、カビが生えてしまったそうめんを「勿体無いから食べる」と決断した場合でも、カビの部分は除去するのが一般的です。
水洗いや茹でてしまえば表面についたカビは取れますが、カビの菌糸が奥深くまで到達している可能性もあるので、カビが目立つ部分は除去して食べたほうが安心です。
上記で「基本的には」と記載したのは、青カビを一切除去せず大量に青カビを食した場合は考慮していないためです。
青カビのカビ毒とは
見た目には全く同じ青カビですが、青カビの種類によってはカビ毒(マイコトキシン)で食品を汚染する可能性があります。
農林水産省による注意喚起によれば、国内でカビ毒による汚染が確認されている食品は
- 穀類
- 果実(乾燥含む)
- 牛乳
- コーヒー類
- とうもろこし
となっており、小麦を使っているそうめんも一応該当する食品なので危険性が0では無い、という事です。
かび毒のほとんどが加熱によって死滅しますが、熱に強いかび毒もあるので注意が必要です。
基本的には、そうめんに生える青カビは毒性を持たない無害な種類。仮に毒性のある青カビでも熱処理で死滅する場合がほとんどですが、食中毒の可能性が僅かでもあることを考えれば、絶対に安全であると断言も出来ないのです。
白カビについて
そうめんに白カビが生えているのは、結論から言えばほとんど気にする必要がありません。
参照:http://blog72.neec.ac.jp/archives/51471516.html
そうめんは古い方が美味しいと聞いたことがある人も居ると思いますが、その理由は保管中もそうめんの熟成が進むから。
昔から、梅雨の時期を乗り越えたそうめんを「厄が済んだ」と表現し、コシや風味が良い事から「厄済みそうめん」は美味しいと言われています。
そうめんの厄とは、科学的な解釈をすると「高温発酵」の事で、高温多湿の環境下でそうめんを積み上げて保管していると、そうめん自体に含まれる水分の影響もあり高温発酵が起こります。
高温発酵したそうめんによく見られるのが白カビ。見た目の特徴は、ふわふわとした綿状でちょうどそうめんに「毛が生えた」ように見えたら白カビです。
色が白い事もあり、気付かずにそのまま茹でて普通に美味しく頂いている可能性も高く、実際に食べても身体への影響はありません。
食べても身体への影響が無い根拠として、白カビを食べた場合は胃で消化されてしまうため。
そうめんに生える白カビは、茹でてしっかり流水で洗い流せば全く気にせずに食すことができるので安心してください。
カビが生えたそうめんを食べて起こりうる症状
続いて、カビが生えたそうめんを食べたときに起こりうる身体への影響や症状をまとめて紹介します。
気持ちが悪くなる(吐き気・嘔吐)
まず、考えられる症状で最も多いのが「気持ちが悪くなる」という症状です。
前述のカビ毒による食中毒症状の可能性も否定はできませんが、ほとんどの場合は精神的なものが原因で起こる症状です。
「カビが生えたそうめんを食べてしまった」という認識が、ちょっと気持ち悪いかも・・という形で症状として現れるケースが考えられます。
実際に吐いてしまう、寒気や他の症状も見られるなど、重篤な症状が見られる場合は別の菌などによる食中毒の疑いがあるので、病院へ足を運ぶようにしてください。
下痢
カビ毒による食中毒なら、カビ毒の種類によっては下痢を引き起こす可能性もあります。
これも同様に、症状が重い・別の症状が見られる場合は青カビ以外が原因で食中毒や感染症を引き起こしている可能性があるので、病院で受診する事をおすすめします。
発がんリスクが高まる危険性も
かび毒の種類によっては、がんのリスクを高める事が指摘されている成分が含まれる危険性もあります。
発がん性と因果関係が指摘されているカビ毒で最も有名なのがアフラトキシン類です。
ただし、そうめん(穀類)にアフラトキシン類を生成する青カビが付いたという報告はありません。
しかし、穀類に付くかび毒によるがんとの因果関係を指摘する声も多く、一概に安全と言い切れない部分もあるようです。
もちろん、食べたからすぐにガンを発病する訳ではなく「長期的に継続して」摂取し続けた場合は危険ですよ、という事なので少量を食べてしまったからと不安を感じることは無さそうです。
青カビが生えたそうめんを食べても深刻な症状はでない
上記を見ても判るように、青カビが生えたそうめんを食べてしまっても、重篤な症状はほとんど出ないといえます。
仮に万が一毒性のある青カビだったとしても、起こる症状は下痢や吐き気で一過性の症状です。
長期的に青カビが生えたそうめんを食べ続けることは無いと思いますので、ガンリスクを高める危険性についてもそこまで神経質になる必要はありません。
ネット上で、青カビが生えたそうめんは食べても大丈夫!という情報を見かけるのは、
- そうめんに生えるカビは大抵が無害
- 万が一毒性があっても症状は軽い
こうした理由を基にして、記載しているものと考えられます。
かびが生えたそうめんは食べない方が無難
そうめんにカビが生えてしまっても、食べることは出来ます。
実際、手延べそうめんを販売しているメーカーのHPなどでも「食べても問題ありません」といった趣旨の記載があります(場合によっては交換対応もあるようですが)
確かに、カビが生えたそうめんを食べたとしても「ほとんどの場合が無害」であると言えます。
カビのほとんどは毒性が無く、仮に食べてしまったとしても胃で消化されてしまうからです。
しかし、それでも当記事では「カビが生えたそうめんは食べない方が良い」という結論に至りました。
カビが生えたそうめんを食べない方が良い理由について詳しく解説していきます。
味・風味の問題
まず、高温発酵後に発生する可能性がある白カビは別として、青カビが生えたそうめんは確実に「味や風味が落ちる」といえます。
具体的に言えば、食べたときにかび臭さを感じる可能性が高いです。
表面の見えているカビを除去しても、そうめんの中にまで菌糸が入り込んでいるので、青カビが生えたそうめんは、美味しくないと感じてしまいます。
可能性が低くても健康リスクが伴う
そうめんに生えるカビはほとんどが無害であり、熱処理によって死滅する可能性もありますが「100%安全な食べ物」と断言は出来ません。
また、カビ毒による発がん性のリスクが指摘されている成分が含まれている危険性もあります。
症状が重篤化しないから・すぐに症状として現れないから安全・・とは言えず、少しでもリスクを抱えてまで食べる必要は無いといえます。
最終的な判断は、食べる人がこれらの情報をどのように考えるかですが、明らかに青カビが広がっているそうめんは、食べない方が無難です。
まとめ
そうめんには、白カビ・青カビなどが生えてしまう事がありますが、食べるときは青カビには注意が必要です。
青カビの中にはカビ毒を生成する種類も居て、可能性は低いですがそうめんを食べてカビ毒を摂取してしまう危険性があります。
万が一食べてしまっても、吐き気や下痢など比較的症状は軽度ですが、安全性を考慮するなら青カビが生えたそうめんは食べないで処分した方が無難です。
当記事が少しでも皆様に役立てば幸いです。
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