「暑さ・寒さも彼岸まで」と昔から言われ、秋分の日はまさに夏に終わりを告げ、秋の到来を感じさせる祝日です。
お彼岸の中日にあたる秋分の日は、お墓参りへ出かける日というイメージが強い人も居ると思います。
そんな秋分の日に食べるものと言えば、「おはぎ」です。
しかし、おはぎばかりでは正直飽きてしまったり、甘いものが苦手という方も多いはず。
そこで今回は、秋分の日とおはぎの関係に触れつつ、秋分の日に食べる「おはぎ以外」の料理やレシピを紹介していきます。
目次
秋分の日とは:由来とおはぎの関係性
秋分の日が制定されたのは1948年、つまり敗戦後にマッカーサー率いるGHQの指導に基づいた「祝日法」で新たに作られた祝日です。
本来は、秋季皇霊祭と呼ばれる祭日で「先祖を祭る」ために宮中儀式を行う日となっていました。
参照:http://blog.livedoor.jp/cpiblog01336/archives/51701703.html
このなごりから、秋分の日制定の際も「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」という趣旨の祝日として制定されています。
お彼岸は秋分の日で期間が決まる
お墓参りをする期間、というイメージがある「お彼岸」ですが、正確な期間をどうやって決めているか知っていますか?
お彼岸の期間とは、秋分の日を中心とした前後3日間を含む7日間を指しています。
先程説明した通り、起点となる秋分の日の日付が変わる事があるため、お彼岸期間も年によって日付にズレが生じる事があります。
その原型は【仏教用語】に由来すると言われ、古くは平安時代ごろから祖先を敬う日として祭事が行われていたとされています。
おはぎを食べる風習とその意味
お彼岸(秋分の日)に、先祖や故人の霊を祭るという風習はとても古くから続いていますが、「おはぎを食べる」という風習は意外に歴史が浅いと言われています。
参照:https://www.kanro.co.jp/sweeten/detail/id=789
お彼岸におはぎを食べるようになったのは、江戸時代ごろからと考えられており、それぞれの季節に旬の草花(秋なら萩、春なら牡丹)から「おはぎ(萩)」や「ぼた(牡丹)もち」と呼ばれるようになったと言われています。(諸説あります)
江戸時代ごろに、なぜ「おはぎ」を彼岸時期に食べるようになったかについても諸説ありますが
- 小豆の赤い色が邪気を祓う
- 先祖を供養する「特別な日」に高級品の甘味を振舞った
このような理由からだったのではないか、と考えられています。
参照:https://edo-g.com/blog/2016/02/edokko.html
信心深く、祭りや特別な日には大盤振る舞いをする事を良しとした江戸っ子気質と、そこに目を付けた商人の販売戦略によって作られた風習だったのかもしれませんね。
本来の意味を考えると「おはぎ」じゃなくても良い
生まれ育った時から、お彼岸=おはぎという風習を当たり前の事として親や祖父母から伝え聞いていると思います。
参照:https://buhitter.com/search?q=%E3%81%8A%E3%81%98%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93&offset=2040
もちろん、秋分の日におはぎを食べる風習は間違いではありません。
しかし、平安時代から続く「祖先を祭る」という意味合いを考えると、彼岸=おはぎという図式が必ずしも絶対では無い事も事実です。
例えば、皇室が現在も執り行っている「秋季皇霊祭」のベースは神道なので、供え物におはぎは無いと考えてまず間違いありません。
参照:https://life-epilogue.jp/funeral/3417
一般的に、神道での供物とは「米・水・塩・旬の野菜や果物・お神酒・稲穂」などとなっています。
宗教や地域、各家庭の決め事などがあるので一概には言えませんが、少なからず秋分の日におはぎを食べる事は「絶対ではない」ので、おはぎ以外の食べ物に忌避感を感じる必要はないのです。
秋分の日に故人の好きだった料理を食べる
「秋分の日 食べ物」などで検索をかけてみると、ほとんどが「おはぎ」に関する記述ばかりです。
しかし、お伝えしたように「おはぎを食べる風習」の歴史は浅く、無理に食べる必要は無いようにも思えます。
参照:https://later-life.jp/culture/culture-total/1072566
お彼岸本来の意味を考えた時、故人への供物代わりに好きだった料理を作り、故人の思い出話を語らいながら食卓を囲むのも立派な供養です。
固定観念に捉われず、お彼岸の意味を考えた食事は「形式的におはぎを食べる」よりも、はるかに意味があると言えるのではないでしょうか。
秋分の日に食べるおすすめの食べ物や料理
丁度、お彼岸の時期は四季でいう所の「秋」となります。
実りの秋・収穫の秋と言われる秋は、実に様々な食材が旬を迎える季節です。
古来、お彼岸の時期に執り行われてきた神事には、先祖の霊を祭るという意味だけでなく、「収穫出来た事への感謝」を伝えるという意味もありました。
こうした考え方も参考に、ここからは「おはぎ以外」の料理や、旬の食べ物を紹介していきます。
秋刀魚(さんま)の塩焼
秋に水揚げされる秋刀魚は、脂が乗ってとても美味しいので、秋分の日に食べる食材としておすすめです。
参照:https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/card/706029/
ことわざにも「秋刀魚が出れば按摩(あんま)が引っ込む」というものがあり、旬のサンマは健康にも良いと昔の人も感じていた事が判りますよね。
旬のサンマを味わうなら、シンプルに塩焼が一番ではないでしょうか。
パリっとした皮を破ると、中から脂がジュワ~♪
想像するだけでお腹が空いてしまいますよね。
秋刀魚の塩焼をする時に、美味しく仕上げるコツをお教えします。
●塩は二度振りが良い
一度目の塩は、臭み取りとうま味を引き出す塩です。
高い位置(20~30cm離して)から全体に塩を振り、手で軽くすり込むようにしたら30分ほど放置します。
引用元:http://xn--28ja0c7gc9602du2ve.jp/archives/1857104.html
30分経ったら、一度水洗いして塩を洗い流して「よく水気を拭き取り」ます。
参照:https://www.mag2.com/p/news/219541
水気を拭き取った秋刀魚に、高い位置からもう一度塩を振ります。
2回目の塩は、1回目より少な目で大丈夫です。2回目の塩を振ったら焼いていきましょう♪
塩を振ると、浸透圧によって塩分が秋刀魚の身に入っていきます。
そのまま時間を置くことで、分解酵素が働きうま味成分が引き出されるだけでなく、塩の作用で臭みの混じった水が染み出てきます。
これを洗い流す事で、「臭みは外に・うま味は中に」となり、とても美味しい塩焼になります。
秋分の日に秋刀魚を食べる際は、是非お試しください。
小豆入り栗おこわ
参照:https://cookpad.com/recipe/1258105
ここからはクックパッドを参考に、旬の味覚を味わえるおすすめレシピを紹介していきます。
最初は、小豆入り栗おこわ。
秋の味覚「栗」を楽しみつつ、邪気を祓うと言われる小豆も使った秋分の日にピッタリの料理です。
詳しいレシピは下記のリンクから確認してください^^
伝えていきたい母の味☆小豆入り栗おこわ by うさぎのシーマ
たっぷりきのこの炊き込みご飯
参照:https://cookpad.com/recipe/5789627
続いても「ご飯もの」で、きのこをたっぷり使った炊き込みご飯を紹介します。
えのきやしいたけ、しめじにまいたけと、きのこ尽くしの炊き込みご飯で、秋の味覚を存分に味わう事が出来るレシピです。
子供からお年寄りまで楽しめる「炊き込みご飯」なら、おかずで好みが分かれても家族全員で食べれるのが良いですよね。
詳しいレシピはこちら
秋の味覚!たっぷりきのこの炊き込みご飯 by ミキミキティ♡
秋茄子の揚げ浸し
参照:https://cookpad.com/recipe/5784208
「秋茄子は嫁に食わすな」と言われるほど、美味しい秋が旬のナス。
ちなみに、上記のことわざには
- 嫁に食べさせるのは勿体ないくらい美味しい
- ナスは種が少ない(子宝に恵まれにくくなる)から
- ナスが身体を冷やすから、身重な嫁をいたわる
など、その意味には諸説ありどれが本来の意味なのかは判明していないことわざだとか。
ことわざの意味はともかく、秋茄子が美味しい「旬の食べ物」なのは疑いようがなく、秋分の日には和を感じさせる揚げ浸しがおすすめ。
詳しいレシピはこちら
精進揚げ(しょうじんあげ)
「しょうじんあげ」と聞いて、お葬式を想像した人もいるかもしれませんが、これは「野菜の天ぷら」の事です。
参照:https://cookpad.com/recipe/4127802
仏門で修業している僧が食べる「精進料理」の精進と同じ意味で、肉や魚ではなく野菜を揚げている事から「精進揚げ」と呼ばれています。
ちなみに、葬式などで振舞われる「精進落とし」を「精進あげ」と呼ぶ地域もあるそうなので、葬式を思い浮かべた方も間違いではありません。
仏事では殺生を嫌い、野菜を食す事にも通じますので秋分の日に適した料理と言えるのではないでしょうか。
詳しいレシピはこちら
秋分の日の食べ物まとめ!おはぎ以外にもこんな献立の料理がおすすめ レシピも:まとめ
秋分の日は、先祖や故人の霊を祀る特別な日が由来となっています。
お彼岸という事もあり、墓参りで普段は会えない親族が一同に会する事も多いと思います。
「秋分の日はおはぎじゃなきゃダメだ!」という方も中には居るかもしれませんので、年配の方や風習を重んじる方のために、おはぎも準備しておけば間違いないかもしれませんね。
当記事で紹介した食べ物を参考に、秋分の日は「先祖」と「食のありがたみ」の両方に感謝する食卓を囲んでみてはいかがでしょうか。
当記事が少しでも皆様の生活に役立てば幸いです♪
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