新年を迎えて、実家や親戚の家へ挨拶回りをするのは毎年お馴染みの光景ですが、旧年中に不幸があった時はどうすべきか困ってしまいますよね。
身内に不幸があった翌年の正月は、お祝いをしてはいけない事はなんとなく判っていても、具体的にどのように挨拶をすればよいのか、何がダメで何がOKなのかは意外に知らないものです。
今回のテーマは、喪中(忌中)の正月についてです。
あいさつの仕方や、正月の過ごし方など気になる問題を解消していきます。
目次
喪中と忌中の違い:期間や故人との続柄
身内に不幸があった時、喪中と忌中(きちゅう)がありますが、明確な違いを知っているでしょうか。
また、故人と自分がどのような続柄関係にあるかも重要になってきます。
喪中や忌中の期間
宗教や地域の風習など、多少の違いはあるようですが一般的には
- 忌中は四十九日法要を終えるまでの期間
- 喪中は3ヶ月~1年(最大で13ヶ月)
このような期間の違いがあります。
喪中の期間が13ヶ月とする場合があるのは、明治時代に施行されていた太政完布告という法令で定められた期間のなごりと言われています。
喪中期間が生じる故人との続柄関係は、自分から見て「二親等以内」となります。
喪中期間が生じる二親等の範囲と期間
参照:https://www.nenkin.go.jp/section/guidance/onegai.files/0000006593.pdf
二親等とは、親・祖父・子・孫など直系の続柄での二世代と兄弟(姉妹)までとなります。
つまり、おじ・おばや甥・姪は含まれないということになります。(三親等)
注意すべき点として、配偶者が居る場合は親等の数え方は【夫婦ワンセット】になります。
つまり、夫や妻の祖父母や兄弟など「自分はほとんど会ったことが無い」方が亡くなった場合であっても、二等親以内なら喪中扱いとなります。
前述の法令によって定められた喪中期間のなごりで、「誰が亡くなったか」によって喪中期間が異なるという考え方がありす。
続柄 | 喪中期間 |
配偶者や両親(義理の父母も含む) | 1年(13ヶ月) |
子 | 3ヶ月~1年 |
祖父母(義理も含む) | 3ヶ月~半年 |
兄弟や姉妹(義理も含む) | 1ヶ月~半年 |
両親や子供が亡くなった場合は、基本的には翌年迎える新年は喪中期間となります。
祖父母や兄弟・姉妹の場合は、付き合いの深さや関係性によって喪中期間の捉え方は変わります。
例えば、1月~4月など年が明けてから間もない時期に祖父母や兄弟が亡くなったとしても、翌年の正月を喪中と捉えないケースもあるようです。
逆に、11月~12月など年末に二親等以内の親族が亡くなった場合は、忌中期間と重なるため正月は喪中として過ごす必要があります。
喪中で迎えた正月はどう過ごすべきか
喪中や忌中の期間を理解したところで、喪中期間中に正月を迎えた場合は、どのように過ごすかを具体的に解説していきます。
事前に喪中はがきを出す
喪中期間中に正月を迎えることが判っている場合、マナーとして喪中はがきを出しておく必要があります。
参照:https://www.amazon.co.jp
新年の挨拶回りに伺えない事を伝えるだけでなく、相手方が知らずに年賀状を出してしまうことにならないためにも、喪中はがきはなるべく出すようにしましょう。
喪中期間中に正月を迎える場合は、年賀状を出すことも控えますので「年賀状を送る予定の方」に喪中はがきを出します。
喪中はがきを出す時期ですが、相手方に迷惑がかからないように11月中旬~遅くとも12月の初旬までには投函すべきです。
実家への挨拶回りは
親と別居している場合、正月くらいは実家に顔を出したいという方も多いですよね。
参照:https://matome.naver.jp/odai/2151479693747201501
前述で解説しているように、基本的には喪中期間中の挨拶回りは控えるのが一般的ですが、実家への挨拶回りだけは行くという方もいるようです。
例えば、自分と血が繋がった兄弟が亡くなった場合、悲しみの度合いは自分と配偶者の間に大きな温度差があります。
参照:http://xn--x9tzr05hr9b.com
私の肉親が亡くなったのに・・と悲しい気持ちになってしまうかもしれませんが、故人との関係性や繋がりによっては、実家へ挨拶回りに行きたいと配偶者が言い出すかもしれません。
こうした場合、自分は喪に服して挨拶が難しいと思うなら配偶者(と子供)だけで行ってもらい、喪中はがきとは別に失礼を詫びる連絡をするなどで対処しましょう。
新年の挨拶
喪中で迎える正月と言えど、実家への挨拶回りも含めて知人や親戚に会うことはあります。
このようなときに、通常の正月なら「明けましておめでとうございます」と挨拶をしますが、喪中の場合は控えるようにしましょう。
参照:https://mbp-japan.com/jijico/articles/14196/
喪中の挨拶は、「旧年中は大変お世話になりました」や「本年もよろしくお願いします」など、祝い言葉である「おめでとう」を避けた挨拶をします。
正月飾りやおせち料理
喪中で新年を迎える場合は、正月飾りを飾るのは控えるのが一般的です。
忌中でなければ飾ってもよいとする考え方(主に神道の考え方)もありますが、飾らないほうが無難です。
同様に、おせち料理も祝い事にちなんだ料理が多いため喪中は控えた方が良いでしょう。
おせち料理の中でも、特に喪中なら避けたほうが良い食べ物として
- 鯛(おめでたい)
- 昆布巻き(よろこぶ)
- 紅白かまぼこ(祝い事)
など、祝い事を連想させる食べ物は喪に服している場合は控えましょう。
祝い言葉がかけてある上記の食べ物を避ければ、おせち料理を普通のご飯として食べることは良いとされています。
お餅やお雑煮なども、飾り餅でなければ食べても問題ありません。
喪に服している期間なので、普段の食事と同じ感覚で質素に頂くのが良いでしょう。
年越しそば
年をまたぐタイミングで食べる年越しそばはどうでしょうか。
年越しそばも縁起物というイメージが強いですが、実は厄落としや長寿祈願という意味合いとなっていて、お祝い事とは無関係な風習です。
そのため、年越しそばは喪中でも関係なく食べても問題ありません。
初詣について
喪中で新年を迎えた場合、初詣は控えるのが一般的です。
しかし、実は仏教・神道共に喪中でも初詣をしても良いという考え方もあります。
神道の場合(神社)
神道では、故人が亡くなってから50日間は忌中期間とされます。
忌中期間中は、初詣どころか鳥居を潜ることすら許されないので、正月が忌中期間と重なる場合は初詣はすべきではありません。
神社によって異なりますが、忌中でなければ参詣をしても良いというケースもあるようです。
※ただし!神社によっては喪中期間の参拝は禁じていることもあるので、喪中で迎える正月に神社へ行くのは避けたほうが無難です。
仏教の場合(お寺)
仏教では、忌中・喪中を問わずお参りをしても良いとされています。
そのため喪中でも初詣をしたい!という場合は、神社ではなくお寺へお参りをすると良いでしょう。
喪中で迎える正月:こんな時はどうする
普段とは少し異なる正月となる喪中での新年。
なるべく静かに新年を過ごす事になるわけですが、喪中では無い人々にとってはおめでたい正月なので、正月の捉え方に違いが生じます。
お年玉はどうすべきか
子供たちにとって、お正月=お年玉と言っても過言ではありません。
喪中で迎えた正月に、親戚の子供と会ったとき「喪中だから・・」と伝えても理解してもらえません。
結論から言えば、喪中だからといって子供たちの期待を裏切る必要はありません。
ただし、「お年玉」としてあげるのではなくお小遣いという形で手渡すのが良いでしょう。
年賀状が届いてしまった!
喪中はがきを出し忘れていたり、相手方が間違えるなどの理由で、喪中なのに年賀状が届いてしまうことがあります。
相手に悪気があっての事ではありませんので、冷静に対処しましょう。
年賀状を喪中に受け取った場合は、すぐに返信をしてはいけません。
1月7日までは正月を祝う期間なので、1月8日以降に「寒中見舞い」という形で返事を出すのがマナーです。
もし、喪中はがきで事前に連絡が出来ていなかった場合は、その旨を謝罪する一文を書き添えてあげると丁寧な返事となります。
喪中の正月 実家への挨拶回りはどうする?あいさつの仕方や過ごし方まとめ:まとめ
喪中期間で迎える正月は、通常の正月とは違い「お祝いムードを封印」した過ごし方をするのが一般的です。
故人と自分の関係性や、悲しみの度合いによっても過ごし方は多少変わってきますが、大切なのは故人を偲ぶ気持ちなのかもしれません。
喪に服して暗い正月を迎えるのではなく、故人を偲びつつ心穏やかに新年を迎えましょう。
当記事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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