真っ赤な麻婆豆腐にグツグツ煮えたぎるキムチ鍋…美味しいけど、なぜかお腹が痛くなって苦しんだ記憶がある人も多いのでは?
この痛みはいつまで続くのか?そんな症状に陥らないために行うべき予防と対策は?そこで今回は辛いものを食べた時の対処法について調べました!
目次
なぜ辛いものを食べるとお腹(下痢)が痛くなるの?
激辛麻婆豆腐や担担麺などを食べた日は腹痛で悶絶する人が続出…。
これには香辛料に含まれる成分が大きく関係しています。
トウガラシなどの香辛料には「カプサイシン」という成分が含まれており、私達が食べた時に感じる辛味はこの成分によるもの。
このカプサイシンは少量であれば腸の動きを活発にするメリットがありますが、肝心なのは摂取量。
摂り過ぎることで、胃酸が過剰に分泌されてしまい、胃腸の粘膜を傷めて消化不良を起こし、結果的に胃痛や下痢を引き起こします。
カプサイシンの許容量は食品安全委員会によると、大人で50mg/kg/日。
これは体重50kgの人なら250mgに相当し、鷹の爪で換算すると大きさにもよりますが約0.3mg~0.7mg/1本。
引用元:https://biz-media.site/posts/600
1本当たり0.7mgのカプサイシンが含まれていれば、70本近く食べないと許容量に満たさない計算ですね。
ということは通常の食事では相当数食べない限りは問題ないことが分かります。
しかし、根本的なことを言うと、他にも考えられる原因があります。
それは日本人の辛さに対する耐性です。
香辛料は熱帯地域で発達した調味料の一種。
継続して食べ続ければ耐性もできるかもしれませんが、日本食に香辛料はあまり使いませんし、日本人の食生活や体質上、カプサイシンは受け入れにくいのかもしれません。
ちなみに日本ではご飯のお供の海苔も、海外の人は消化しきれないそう。やっぱり各国の食文化が大きく左右することが分かりますよね!
辛いものによる腹痛はどのくらい続く?
では実際に腹痛になると、どのくらいでこの苦しみから抜け出せるか、一刻も早く知りたいところ。
辛いものによる腹痛は消化不良から起こるので、そこまで長い時間は継続しません。
個人差があるものの、激しい痛みは数時間~長くても1日以内でおさまるのが一般的です。
排便して痛みの原因物質が排出されたり、胃腸内に残った食べ物が消化し始めれば、治るので安心して下さい!
逆に何日も腹痛が続いたり、熱や咳などの諸症状が出ているようなら要注意。辛いものではなく、感染症などの疑いも考えられますので、急いで病院へ。
辛いものを食べる前にやるべきことは?予防になる食べ物は何?
「辛い」の原因・カプサイシンは胃酸の過剰分泌が一因して胃粘膜を攻撃してしまいます。
ということは、胃腸を正しく機能させたり、胃粘膜を守る何かをする必要がありそうですね。
では、実際どんなことを事前にすればいいか?どんな食べ物を食べれば効果があるのか?ここでは予防法についてまとめてみました。
規則正しい生活を送る
え?これってどんな健康法にも言えることじゃないか!と思いますが、その通り。
暴飲暴食や睡眠不足は胃腸を弱らせる原因になるので、日頃の食生活や生活スタイルを規則正しく維持することは大事なんですね。
夜遅くにご飯を食べた翌日や睡眠不足の翌日に激辛料理は不向きと言えそうです。
お酒やたばこを控える
辛いものにはお酒が合いそうですが、お酒は胃などの消化器官に負担をかけてしまいがち。
日頃から飲酒や喫煙する人は、しない人と比べても消化器官が弱っている状態なので、できれば辛いものの摂取前は控えた方が良いでしょう。
乳製品を摂取する
乳製品は胃粘膜を保護する役割があり、事前に摂取すればカプサイシンの刺激を軽減させてくれます。
また、空腹状態で激辛料理に挑むと、急な刺激に胃もびっくりしてしまいます。
胃をならすという意味でも体内へ取り込んでおくと◎
タンパク質を摂取する
お肉や卵、魚などの動物性タンパク質には油と同様に、胃腸内をコーティングしてくれます。
胃粘膜を守るという意味では乳製品と似た効用ですね。
お肉や魚はヘビーですが、コンビニで売っているゆで卵なんかは手軽に食べることができますね。
さらに良いのは、ガゼインと動物性タンパク質の両方を含んでいるプロテイン。
プロテインドリンクならサクッと飲めてオススメですよ。
辛いもので腹痛が発生したときの対処法は?何を食べると腹痛を軽減できる?
腹痛はカプサイシンや胃粘膜への刺激で起こっています。
カプサイシンをなるべく早く体外へ出し、胃粘膜に優しい食べ物を摂取しなければなりません。
では、腹痛を軽減させるためには何をすべきなのでしょうか?
また、効果的な食べ物は何でしょうか?
食後の対処法を見ていきましょう。
胃腸薬を飲む
胃腸が荒れていることで腹痛になるので、整腸効果の高い胃腸薬を飲むのがオススメ。
胃腸が荒れたままにすると、ポリープや大腸ガンなどの重大な病気を招く危険性も…。
お腹が痛くなくても多少のダメージは受けているはずなので、体のためにも食後はなるべく胃腸薬を飲むのがベスト。
ラッパのマークでお馴染みの正露丸ですが、実際激辛料理を食べた人の中には効果があったという声もありました。
ただし、お腹が張って苦しい場合や何度もトイレに行ってお尻が痛い…という人は要確認!
薬の効用で切れ痔などのトラブルを引き起こす可能性も。薬を飲むときは用量や用法をしっかり確認してから服用しましょう!
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水分補給をする
唐辛子などに含まれるカプサイシンは水に溶けません。
実は食事中に飲むと、水といっしょに体中にカプサイシンが流れて痛みや辛さを助長してしまいます。
辛いとついつい水を飲みがちですが、激辛料理の時はなるべく飲まない方が良いんですね。
ただし、腹痛が続いて何度もトイレに行っているなら、今度は脱水症状が心配です。
脱水症状を避けるためにも、水分補給は必須。常温の水を少しずつ飲むようにしましょう。
一気飲みではなく、時間をあけて飲むようにして下さいね。
他には脱水症状に良いとされる経口補水液OS1やスポーツドリンクでも構いません。
少なくとも500ml1本分の水を飲んだ方が安心です。
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乳製品
牛乳などの乳製品には「ガゼイン」と呼ばれる成分が含まれています。
カプサイシン自体は摂取後に吸収されるのを抑えられませんが、ガゼインはカプサイシンと結びついて直接的な刺激を抑制してくれます。
牛乳の他にもヨーグルトやチーズでもOK。
市販の飲むヨーグルトなど、コップ一杯150ml前後を目安に飲みましょう。
ただし、牛乳を飲むとお腹が下すタイプの人は、別の症状で下痢になる可能性も…。
冷たいとお腹を壊しやすいので、温めて飲んでも良いかもしれません。
ポリフェノール
ポリフェノールには辛味成分を分解してくれる効果があります。
コーヒーやココアなどにポリフェノールも多く含まれていますよね。
しかし、
炎症を起こしたお腹にカフェインは刺激が強すぎるので、あまりオススメできません。
できれば、カフェインが含まれていないデカフェや黒豆茶を飲みましょう。
飲み物以外にはナス、ブドウ、カシス、ブルーベリーなどにも含まれていますよ。
炭水化物
胃酸の分泌が多くなっている時は、柔らかく塩分や脂質の少ない食べ物が消化良くて効果的。
例えば、お米ならお粥にして食べるとお腹に優しいですよ。
食物繊維
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食物繊維は腸内のゴミを絡め取りながら、便の排出を促してくれます。
腹痛の原因物質が体内から排出すれば腹痛もおさまりやすくなるので、食物繊維を活用するのも◎
食物繊維と言えば、ゴボウやサツマイモなどの固形食材を思い浮かべますが、最近では食物繊維量に特化した野菜ジュースも販売されています。
食後に摂れそうにないなら、食事中に野菜を意識するだけでも効果は違いますよ!
辛いものを食べた体にきくツボ!
引用元:https://www.pinterest.jp/pin/761882461934844651/
色々対策した後は、最後に腹痛に効くツボを押してみましょう!
梁丘(りょうきゅう)
両ひざの外側上部に当たるところを言い、下痢など腸の蠕動運動が活発になり過ぎている時、正常に戻す効果があるツボです。
座った状態だとやりやすいため、椅子に座ってこぶしを作った時の小指の側面でグリグリ押しましょう。
約10分継続すると効果アリ。
引用URL:https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/tsubo/201304.html
温溜(おんる)
ひじを直角に曲げた時にできるシワ中央部と、手首の親指側の骨との中央部に当たります。
食べ過ぎで胃腸に負担がかかると、腹部の血のめぐりや気のめぐりが滞っている状態。
温溜を刺激すると循環が良くなって、腹痛の改善が期待できます。
引用URL:https://www.kango-roo.com/sn/a/view/550
辛いものを食べた時の予防・対処法!まとめ
・香辛料に含まれるカプサイシンが腹痛の一因
・規則正しい生活習慣で胃腸の状態を万全に
・食前は乳製品やタンパク質などで予防
・食後は胃腸薬やホットミルク、お粥などで対策
・梁のツボで腹痛を軽減する
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