旬の味覚として、秋口にはスーパーでも良く見かけるさつまいも。
甘くて美味しいを切ってみると、切り口の色が赤やオレンジでギョッとする人も多いようです。
また、切ってから放置すると切り口が変色して黒ずむ事もあります。
今回は、さつまいもの切り口が変色する原因や、色別に問題があるのかどうかについてお伝えします。
目次
サツマイモの種類について
今回、さつまいもの切り口に関して皆様にご紹介するのは
- 紅あづま
- 紅はるか
- 安納芋(あんのういも)
この3種類のさつまいもを中心にお伝えしていきます。
理由は、一般的なスーパーで取り扱うさつまいもが、この3種類がメインである事と、3種類がそれぞれ別の特徴を持っているからです。
切り口の色が特殊な例もあるので、例外として別種のさつまいもを取り上げる事もありますが、基本的には馴染みのある3種類のさつまいもの切り口や、色の変化を中心に解説します。
正常な切り口の色を知っておこう
さつまいもの切り口が異常なのか、正常なのかの判断をする為には、種類ごとの正常な切り口の色を知っておく必要があります。
紅あずま
参照:https://www.100yen-yaoya.com/shop/products/detail/01045005
最もポピュラーなさつまいもと言える紅あずまは、焼き芋などにも使われ昔から市場に出回っている品種です。
紅あずまの切り口は
参照:https://enntaku98.com/sweet-potato-harvest/
画像のように、黄色がかった白い断面になります。
個体によっては、黄色が強く出ている事もありますが品質には全く問題がないので安心して食す事が出来ます。
参照:https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/satumaimo-varie.htm
紅はるか
参照:http://www.shijou.city.osaka.jp/sikyoportal/?page_id=961
紅はるかも、糖度が高く焼き芋や干し芋などに使用される身近な品種です。
紅はるかの切り口は
参照:http://www.shijou.city.osaka.jp/sikyoportal/?page_id=961
参照:https://www.kupiku.com/en/product/B07K7ZXR1P
白っぽい切り口が特徴になります。
画像にも説明がある通り、常温で寝かすと切り口が黄色がかってくる特徴もあるので、前述の紅あずまと似た切り口になっています。
安納芋(あんのういも)
参照:https://annou-imo.jp/oyakudatiinfo/oyakudatiinfo0001.php
西日本を中心に栽培される安納芋(あんのういも)も最近はスーパーで販売されるのを良く見かけるようになりました。
とても甘く、クリーミィな食感が楽しめる品種で「今まで食べたさつまいもと全然違う!」と感じて病み付きになる人も多い人気品種です。
安納芋の切り口は
参照:http://kisetsumimiyori.com/annoimo/
オレンジ色にも見える、赤みがかった断面が「正常な色」です。
見慣れていない事もあり、切った瞬間に「え!?」とびっくりする方も居るようですが、安納芋の実はピンクやオレンジに見えるのが特徴なので安心して食べて下さい。
参照:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11142461116
オレンジが強く出て、斑点のように見えても「正常な切り口」です。
さつまいもの切り口に白い液体が!
さつまいもを切ると、断面に白い液体が染み出る事があります。
参照:http://textview.jp/post/hobby/25169
見た目がボンドの様で、これって食べたらヤバいんじゃ・・と不安になる方も居るようですが、結論から言えば全く問題ありません。
この白い液体の正体は「ヤラピン」というさつまいもに含まれる物質です。
ヤラピンは便通を促す作用があり、さつまいもに多く含まれる食物繊維の効果と共に、便秘の解消に効果的な作用をもたらします。
また、このような切り口を見たことがないでしょうか
参照:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1356345618
断面に黒い斑点のようなものがあり、一見するとカビ?と思ってしまう方も居るようです。
しかし、この斑点のある位置はヤラピンが出ていた場所と同じですよね。
実は、ヤラピンは空気に触れると「黒くなる」という特徴があります。
つまり、黒い斑点の正体もヤラピン。
食べても全く問題が無いので、安心して食べましょう。
さつまいもの断面に黒い部分がある
ヤラピンが空気に触れて黒くなった場合は、黒い斑点状になりますが、さつまいもの断面が黒ずんでいる時は別の理由になります。
参照:https://okwave.jp/qa/q5592897.html
画像を見ても、明らかにヤラピンの時とは異なる黒ずみなのが判ると思います。
この黒ずみの正体は「低温障害による劣化」で、味や風味が落ちるという弊害のある状態です。
さつまいもは、保存する時に低温(5℃以下)下では低温障害を引き起こします。
そのため、保存状態が悪いと画像の様に黒ずんでしまう事があります。
食べられない事はありませんが、黒くなった部分は味も食感も悪いので、黒い部分を除去してから調理する事をおすすめします。
さつまいもが変色した
さつまいもを調理する時、切ってしばらくすると、全体が黒っぽくなったり、茶褐色になったりします。
参照:https://xn--vekaa9723al3ljhe56ct2b03tfl0bur0a.xyz/?p=678
結論から言うと、切った後に変色するのは問題無しです。
切ったさつまいもが空気に触れて変色するのは、褐変反応と呼ばれる変化で、りんごが黒くなるのと同じ理由です。
酸化が原因で黒く変色するので、変色を抑えたい時は切ってすぐに水に入れたり、調理の際に酢やレモン汁を少量加えると効果的です。
参考動画も掲載しておきますので、お料理に役立てて下さい。
さつまいもを切った時点で茶色い場合
正常なさつまいもが、切った後に茶色っぽくなるのは褐変反応なので問題ありませんが、極稀に切ったら中が茶色い!というケースがあるようです。
参照:https://www.matuno.co.jp/customers/quality/15131.html
これは、天候不良などによって「生育不良」が起きたさつまいもに見られる現象で、外見からは判別できないそうです。
スーパーや八百屋で購入したさつまいもを切って、中身が茶色い場合は購入元へ持っていけば交換に応じる店がほとんどだと思いますので、クレーマーみたいで嫌だ、とは思わずに現物を持って行きましょう。
販売元も、外見で判断できずに「生育不良の商品」を売っている事を知らずにいるので、逆に喜ばれる可能性もあります。
さつまいもを切ったら白い部分がある
全体が白っぽい、黄色っぽい場合は「正常」ですが一部だけ異常に白い時があります。
参照:https://oshiete.goo.ne.jp/qa/10525220.html
これは、保管状態が悪く中身が乾燥が原因で茶碗蒸しで言う所の「スがたった」状態です。
食べても大きな問題はありませんが、白く変色した部分は味も食感も落ちるので、白い部分を除去して食べる事をおすすめします。
さつまいもの品質を見分ける方法
さつまいもの切り口が変色していても、大抵の場合は品種の特徴や酸化が原因です。
しかし、中には品質に問題があり食べない方が良い場合もあります。
参照:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1163755421
見た目で判別できる場合は、カビていたり明らかに通常の断面とは異なる状態になっています。
また、見た目以外にも
- 硬さが無くブヨブヨしている
- 酸っぱい匂いなど異臭がする
- 糸を引くほどベタついている
このような状態のさつまいもは食べない方が良いと言えます。
さつまいもの正しい保存法
最後に、さつまいもを保存する際に注意すべき点を紹介します。
記事内でも触れている通り、さつまいもは低温下で保存すると、低温障害を引き起こしてしまいます。
保存に適した温度は15℃前後と言われており、10℃を下回ると痛みが早くなってしまいます。
旬は秋なので、秋の保存なら直射日光をさけて風通りの良い場所で常温保存がベストです。
冷蔵庫に入れておきたい場合は、新聞紙にくるむなどして少しでも温度が下がりすぎない工夫が必要です。
さつまいもの保存は
- 15℃前後をキープする事
- 風通しの良い条件
この2点を意識すると、長く保存(2週間~1ヶ月程度)する事が出来ますよ。
さつまいもの切り口:まとめ
さつまいもの切り口は、品種によっても大きく異なるので、品種ごとの正しい切り口の色を事前に知っておくと慌てなくて済みます。
また、白い液体や黒い斑点などもさつまいもの成分なので、気にしなくて大丈夫です。
変色で気を付けるべきは、低温障害でさつまいも全体に黒ずみが発生したり、カビが生えてしまっている時です。
腐っている時は、見た目だけでなく硬さや臭いにも変化が現れるので、明らかに異常を感じた時は食べないようにしましょう。
当記事が、皆様の生活に少しでも役立てば幸いです♪
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