11月23日は「勤労感謝の日」で学校や職場が休みという方も多いと思います。
言葉から、日々の勤労を労わる日なのかな?と想像は出来ますが、本来の意味や由来を知る人は少ないようです。
今回は、勤労感謝の日をどう過ごすか?をテーマに、イベントの紹介や本来の意味についてお伝えします。
目次
勤労感謝の日の意味や由来
現在、私たちが知っている「勤労感謝の日」が制定されたのは1948年で、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」事を目的とした祝日となっています。
つまり、多くの人が「仕事している人に感謝する日」と理解しているのも間違いではありませんが、ルーツを辿っていくと元々は「全く別の意味で重要な日」だったことが判ります。
元の名称は「新嘗祭(にいなめさい)」
勤労感謝の日にあたる11月23日は、戦前は新嘗祭という祭日として認知されていました。
簡単にいうと新嘗祭は、天皇が平和と発展を神に祈る祭りごとで、重要な宮中行事の一つでした。
参照:https://www.facebook.com/tondayakyoto/photos/a.1601080206875646/2143741935942801/?type=3
その起源は古く、日本では古来より続く祭事で一説によると、その起源は弥生時代にまで遡るのではないか?とも言われています(※諸説あり)
参照:http://www.hrr.mlit.go.jp/matumoto/contents/sub/kantan/omosirobook/omosiro4-2.htm
そんな古くから執り行われていた新嘗際は、いわば「収穫祭」という意味合いがあり、「無事に収穫が出来たことへの感謝」と「来年も豊作になりますように」という願いを込めた重要な儀式の一つでした。
農耕民族だった私たちの祖先にとって、収穫量の変動は「命に関わる一大事」です。
神の存在が信じられていた頃は、神への感謝を伝えるとても重要な儀式だったと考えられます。
その文化は戦前まで皇室が引き継ぎ、祭事として執り行ってきましたが、なぜ「勤労感謝の日」へと名前を変えたのでしょうか。
敗戦を経て勤労感謝の日が作られた
日本は、第二次世界大戦へと突入し敗戦国となりました。
戦争に負けた日本には、有名なマッカーサー司令官率いるGHQによって「国の在り方」を大きく変えられていきます。
参照:https://history-men.com/douglas-%EF%BD%8Dacarthur/
難しく書いてしまうと社会の授業になってしまうので、すごく簡単に言うと当時の日本は、世界(連合国軍)から「危険視されていた」と言われています。
何が危険視されたのかと言うと、天皇を神と崇めて勝ち目がないと思える戦いへ向かっていった精神性や国民性そのものです。
中でも、天皇=神のような存在という図式を無くすため、天皇が執り行う祭祀(新嘗祭など)が国民の生活に影響を与えるのを良しとせず、新たに「祝日」を設けるように指導しました。
その結果、新嘗祭として祭日だった11月23日は新たに「勤労感謝の日」という名の祝日へと変わり、その意味も本来の収穫を祝うものから現在の意味に変わったのです。
どう過ごす?勤労感謝の日
少し難しい話や歴史的な話が続いてしまいましたが、由来や本来の意味を知ったところで、どう過ごすかを提案していきたいと思います。
極論、「好きなように過ごす」でいいのですが、勤労感謝の日は11月23日と決まっていて、単休になる年も多く過ごし方に困る事もあると思います。(2019年は土曜なので連休ですね♪)
参照:https://trend-town.info/archives/14397.html
ここから紹介する「勤労感謝の日」の過ごし方は、あくまでも「こういう過ごし方もありますよ」というご提案。
こう過ごすべきである!などという事では無いので、過ごし方の参考として読み進めて頂けると幸いです。
リフレッシュ休暇として使う
勤労感謝の日、というくらいですから普段の疲れを労う(ねぎらう)日として過ごすのが素直な過ごし方と言えますよね。
「勤労」とは厳密に言うと、「賃金を貰って仕事をする事」という意味ですが、家事で毎日疲れている主婦(夫)や勉強に励む学生さんだってねぎらってあげるべきです。
参照:https://www.irasutoya.com/2014/10/blog-post_771.html
例えば勤労感謝の日は、家族全員でゆったりとした時間を過ごす日と決めても良いですし、日ごろの疲れを癒すために小旅行などもおすすめです。
食事会を開く
本来の意味である新嘗祭にならって、「食事への感謝」を意識しながら食事会を開くのも良いですね。
お子様がいらっしゃる場合なら、食事の大切さやありがたみを伝える機会にもなりますし、普段何気なく口にしている食べ物に感謝する日として過ごしてみてはどうでしょうか。
参照:https://www.niwaka.com/ksm/radio/betrothal-meeting/program/base/04/
既婚者ならパートナーへ感謝を伝えるのもアリ
勤労感謝の日は11月23日、その前日にあたる11月22日は「良い夫婦の日」となっています。
母の日、父の日、敬老の日、子供の日など、特定の誰かに感謝を伝える日はありますが、パートナーに感謝を伝える日は結婚記念日くらいじゃないでしょうか。
あえて、勤労感謝の日にお互いの労をねぎらって、感謝を伝えたり久し振りにデートに出かけたりして過ごすのもアリだと思います。
参照:https://www.lifehacker.jp/2015/12/151214gratitude_business.html
勤労感謝の日に行われるイベント情報
元々は、新嘗祭だった事もあり11月23日にお祭りやイベントを執り行う事があります。
小さなイベントなどを含めると、全国各所でお祭りやイベントが開催されます。
全国全てのイベントを網羅する事は難しいので、今回は関東で11月23日に開催されるイベントをいくつか紹介しますね。(全国のイベント情報が載ってるサイトも下記に載せましたので参考にしてくださいね^^)
波除稲荷神社:新嘗祭どぶろく祭(東京都中央区)
東京都中央区の築地市場駅近くにある、波除稲荷神社では毎年11月23日に「新嘗祭どぶろく祭」を開催しています。
参照:https://matsuri-no-hi.com/matsuri/2019/106
石川県白山・鶴来にある「御神饌田」で作られ、抜穂祭の場で刈り取られた稲を原料とした、にごり酒(非売品)をお神酒として振舞う祭りです。
たった300本しか作ることが出来ない、貴重なにごり酒「幸穂」を一口飲もうと、毎年多くの参拝客でにぎわう祭りです。
収穫の喜びを感じられる希少なにごり酒を飲みに行く、という過ごし方も楽しそうです♪
生麦旧東海道まつり
神奈川県鶴見区で11月23日に行われるのは、「生麦旧東海道まつり」というイベントです。
参照:http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/eventinfo/ev_detail.php?bid=yw7305
鶴見区にある生麦魚河岸通りで、かつて将軍家に魚介を献上していた生麦のまつりを模して開催されています。
美味しい魚介を味わえるだけでなく、直売店でお土産を買う事も出来ますよ。
生麦名物の「あなご天ぷら」と「生麦丼」は味わってみる価値ありです。
参照:https://1702e.at.webry.info/200705/article_15.html
画像は「生麦丼」。海の幸がタップリの名物海鮮丼ですよ♪
近所にお住まいで、予定が特に無い!という方は覗きにいってみてはいかがでしょうか。
春日神社:青沼どぶろく祭り(茨城県行方市)
北関東にお住まいの方は、茨城県の春日神社で行われている「青沼どぶろく祭り」というお祭りに足を運ぶという手もあります。
参照:https://nihonnomaturi.com/category3/category23/entry121.html
春日神社で1200年続くと言われる伝統的な祭りで、新嘗祭のなごりを色濃く残した行事として毎年行われています。
参拝者にどぶろくをふるまうという祭りで、神社でありながら「濁り酒の醸造」が許可されているのは、関東では春日神社だけだそうです。
動画を見る限り、参拝者はさほど多くは無さそうですが、逆に人混みが苦手な方には「穴場スポット」としておすすめです。
1200年受け継がれたどぶろくを頂き、新嘗祭に思いをはせるという過ごし方も風流ですよね。
11月23日に開かれている全国のイベント情報
勤労感謝の日に、お住まいの地域周辺でどのようなイベントが行われるかを調べる時は、Walker+(ウォーカープラス)のイベント一覧が便利です。
11月23日ピンポイントで開催されるイベントだけでなく、お子様や家族で楽しめる様々なイベント情報も知る事が出来ますよ。
参照:https://www.walkerplus.com/event_list/tommorow/
日にちや、地域、イベントの種類などで絞り込んで検索する事も出来ますので、勤労感謝の日に出かける予定を立てる際にもきっと役立ちますよ。
ネット上で検索できない、小規模な祭りや催しなどは回覧板やお住まいの地域の市役所・町役場などで情報を探すと良いですよ♪
勤労感謝の日は何するべき?過ごし方やイベントを意味や由来と共に紹介!:まとめ
勤労感謝の日は、元来「新嘗祭」という収穫に感謝する祭日でした。
本来の意味を知り、食に感謝して過ごすも良し、日ごろの疲れを癒す休日として過ごすも良し、せっかくの休日だからこそ有意義に過ごしたいものです。
新嘗祭にちなんだお祭りなども、11月23日に行われる事も多いので、近所にある神社で何かイベントはやっていないか?と調べてみるのも良いと思います。
過ごし方に正解はありませんが、今回お伝えした内容で少しでも有意義に過ごす手助けになってくれたら幸いです♪
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